Research | 機能性材料の開発と応用

電場や磁場で材料特性が変化する機能性材料の開発と応用研究を行っています.材料そのものが特殊な機能を有するため,力伝達や可変減衰などの機構をシンプルに構成でき,装置の小型化ができます.

機能性材料の開発と応用
電気で粘着性の変化する“電気粘着ゲル”は,藤倉化成株式会社と共同で開発した新材料です.電圧印加除去に対する応答性は十数ミリ秒と早く,消費電力も低いのが特徴です.性能向上に向けた基礎研究とデバイスへの応用研究に取り組んでいます.

Research Theme

Smart Material

静電誘導リソグラフィによる電気粘着ピラーアレイの作製

我々が世界に先駆けて開発したElectro-Adhesive Gel (EAG,以前はElectro-Rheological Gel,ERGと呼んでいました) は機能性表面と言い,外部から与えられた電場により表面の粘着性が変化する特殊な特性(電気粘着効果)を示します.この面白い材料は,真空中のウエハ搬送装置や触覚デバイス,自動車のブレーキ,建造物の制振装置等への応用が期待されています.

本研究では,EAGが従来から抱えている表面の不均一性や粘着性能の個体差といった問題を解決すべく,静電誘導リソグラフィ技術を用いて作製し規則的な凹凸を持った電気粘着表面(EAピラーアレイ)の開発を目指しています.

静電誘導リソグラフィによる電気粘着ピラーアレイの作製


電気粘着ゴム(EAR)の力分析と理論モデル化

近年搬送物の多様化に伴い,紙やフィルム,布といった柔軟媒体も搬送の対象となっています.しかし柔軟媒体を機械的に固定し制御することは難しく新規な保持・固定方法が求められています.そこで注目されているのが研究対象である電気粘着ゴム(EAR)です.EARは電圧を印加することで電気粘着力が生じ,これにより搬送物を固定できる機能性材料です.現在シミュレーションと実験を行い電気粘着力による固定力発生メカニズムの解明と理論モデル化にチャレンジしています.またより大きな固定力を得るために電極パターンも含めEARの構造をデザインしています.より優れたEARが開発できれば,EARの幅広い応用が期待できます.

電気粘着ゴム(EAR)の力分析と理論モデル化